魅力的に働く保育の職場訪問~鹿児島・霧島市~

2024年11月11日

 11月初めの晴れた日、鹿児島県霧島市にある「ひより保育園」を訪問しました。
 企業主導型保育事業による保育園で、母体は地元の建設会社。敷地内には高齢者施設も併設され、様々な業種の人が働いており、土日祝日も開園しています。「みんなにとって働きやすい環境を作りたい」「地域貢献したい」という園長先生の思いから8年前に設立され、現在は73名の子どもたちが在園しています。

 特色は「食育」。「食」を真ん中にしている保育園で、給食室はガラス張り。調理の様子がよく見えて、ガラスに書かれている今日の給食のメニュー(きょうのこんだて『ぱん・とうにゅうすーぷ・とりのれもんそーす・やきやさい・かき』!)に私たちもわくわくする気持ちに。子どもたちは毎日このような気持ちなのかなと想像しました。

細かく切った柚子の皮が干してあり、柚子塩を作るそう。

 成長とともに子どもたちは自分で配膳するようになります。陶器の食器に盛られたごちそうを慎重に運ぶ姿が印象的でした。ひより保育園の食育では、暮らしの中で調理の過程を一緒に経験することが大切にされています。「料理がうまくなってほしいわけではない」ことや、「失敗も成功も舌で直接わかる」という園長先生の話も心に残りました。友だちや先生と一緒に過ごす給食はとてもおいしそうで豊かな時間でした。

 園活動では異年齢保育を取り入れており、「自分の過ごし方は自分で決める」「自分たちで暮らしを作っていく」という方針のもと、子どもたちは好きな場所や遊びを選びます。ブランコで小さい子が「おして~おして~」と大きな声を出すと、近くにいた年長児さんが来て押してあげたり、色水遊びに使っていた花のお皿がこぼれてしまうと、少し大きいお姉さんが来て拾ったり。自然に助けたり助けられたり、一緒に生活を作っていく様子が見られました。年長児さんは園のことをよく知っていて、「そのへんはハチがいたりキノコがあったりするから気をつけてね」と私たちに声をかけてくれる子もいました。

 インタビューでは2人の先生にお話を伺いました。この保育園に就職したきっかけや、好き嫌いに対する考えやストレス解消法などたくさん聞かせていただきました。お二人とも、自分の目指したい保育を求めて働く場所を選びながらキャリアアップしてきたということでした。子どものやりたいこと、先生のやりたいことを出し合って毎日をつくっていくことの楽しさが語られ、みんなが笑顔になりました。

インタビューの様子は近日公開、お楽しみに!

事業名 『魅力がこだまする保育職Echoモデルの開発』/文部科学省令和6年度「大学等を通じたキャリア形成支援による幼児教育の「職」の魅力向上・発信事業(「職」の魅力向上と人材確保の好循環を生み出すモデル創出事業)